沖縄県政の刷新を求める会

翁長知事国連演説第2次訴訟

監査請求監査請求

監査請求

沖縄県監査委員殿

 

平成29年12月21日

沖縄県職員措置請求書

第1 請求の要旨
翁長雄志知事が、平成27年9月21日のジュネーブの国連人権理事会で行った演説に同行した二名の県職員に対し、交通費、宿泊費、日当、雑費等の名目で支出された沖縄県の公費1,308,534円を沖縄県知事は当該職員から返還及び翁長雄志知事から賠償請求を求めなければならない。

第2 請求の理由

  1. 翁長雄志知事が、平成27年9月21日のジュネーブの国連人権理事会で行った演説に同行した二名の県職員に対し、交通費、宿泊費、日当、雑費等の名目で支出された沖縄県の公費1,308,534円を沖縄県知事は当該職員から返還及び翁長雄志知事から賠償請求を求めなければならない。

  2. 報道によると、外務省人権人道課によれば、国連人権理事会の規定で演説が認められているのは、①非理事国の政府代表者、②国際機関の代表者、③国連経済社会理事会から認められた協議資格を有するNGOの3者に限定されており、地方自治体の首長は演説を行う資格を有していないとのことである。

  3. 平成29年10月25日知基第123号により情報開示された資料によると、翁長知事に同行した知事秘書の岸本義一郎氏に対し、交通費、日当、旅行雑費、宿泊料・食卓料、外国旅行雑費等の名目で663,517円が支出されており、秘書課主査の阿波連貴夫氏に対し同様の名目で645,017円が支出されているが上記の理由から、県の公費から支出することは不当であり、同行を依頼した翁長知事もしくは、知事に演説枠を提供したNGO等が負担するかもしくは当該職員の自己負担とすべきものである。

  4. 以上の事から、翁長雄志知事が、平成27年9月21日のジュネーブの国連人権理事会で行った演説に同行した二名の県職員に対し、交通費、宿泊費、日当、雑費等の名目で支出された沖縄県の公費1,308,534円を沖縄県知事は当該職員から返還を求めるとともに、翁長雄志知事から同額の賠償を求めるべきである。

上記のとおり地方自治法第242条第1項の規定により別紙事実証明書を添え必要な措置を請求します。



監査請求監査請求結果

監査請求結果

平成30年1月10日

沖縄県職員措置請求書について(通知)

平成29年12月21日付けの沖縄県職員措置請求(以下「本件請求」という。)については、下記のとおり却下します。

 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第242条第1項に定める住民監査請求は、普通地方公共団体の執行機関又は職員による違法若しくは不当な公金の支出、契約の締結等の財務会計上の行為によって、当該普通地方公共団体に損害を与え、又は与えるおそれがある場合に、その事実を証する書面を添えて、監査委員に対し、監査を求め、当該財務会計上の行為を防止又は是正するために必要な措置を講ずべきことを求める制度であることから、住民監査請求においては、特定の財務会計上の行為についての客観的かつ具体的な違法性又は不当性が示されることが要件となる。
 また、当該請求は、同条第2項の規定により、正当な理由があるときを除き、当該行為のあった日又は終わった日から一年以内に行わなければならない。

 本件請求において請求人は、沖縄県知事翁長雄志が平成27年9月21日のジュネーブの国連人権理事会で行った演説に同行した2名の県職員に対し、交通費、宿泊費、日当、雑費等の名目で支出された沖縄県の公費1:308,534円を沖縄県知事は当該職員から返還及び沖縄県知事翁長雄志から賠償請求を求めるよう求めている。

 本件請求は、沖縄県知事翁長雄志が平成27年9月21日にジュネーブの国連人権理事会総会で行った演説に同行した県職員2名に対する交通費及び宿泊費等1,308,534円のうち、知事秘書である岸本義一郎に対し、概算払いとして663,517円が平成27年9月18日に、秘書課主査の阿波連貴夫に対し、精算払いとして645,017円が平成27年H月2日に支出されており、当該支出の日から岸本義二郎については約2年3か月、阿波連貴夫については約2年1か月を経過してなされた住民監査請求であり、住民監査請求の要件を満たしていない。
 また、同項ただし書きにおいては、正当な理由があるときはこの限りでないとされているが、「正当な理由があるとき」とは、地方公共団体の住民が相当の注意力を持って調査を尽くせば客観的にみて住民監査請求をするに足りる程度に財務会計上の行為の存在又は内容を知ることができたと解される時から相当な期間内に住民監査請求をした場合をいうと解するのが相当であるとされている。(最高裁平成14年9月12日判決)

 本件請求についてみると、請求人が事実証明書として提出した公文書部分開示決定通知書(平成29年10月26日付け知基第123号)において、請求人は「支出された公費227万円の内訳とその詳細」、「上記の企画書、請求書、支出命令書の情報」について開示を求めているが、知事の国連人権理事会総会での演説が当時の新聞等のマスメディアで報道された時点においても、同行者に係る経費を含め、当該出張に係る一切の経費について開示請求をすることが可能であったと解されることから、財務会計上の行為があった日又は終わった日から1年を経過したことに正当な理由があるとは言えない。

 よって、本件請求は、法第242条第2項の請求期限を経過しており、また同項ただし書きの正当な理由があるとは言えないことから、住民監査請求の要件を具備しているとは認められない。

 したがって、本件請求は、正当な理由がなく、請求期限を経過した不適法な請求として却下することを相当と判断した。


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