沖縄県政の刷新を求める会

翁長知事国連演説第1次訴訟

監査請求監査請求

監査請求

沖縄県監査委員殿

 

平成29年10月13日

沖縄県職員措置請求書

第1 請求の要旨
翁長雄志知事が、平成27年9月21日のジュネーブの国連人権理事会で行った演説のために支出された沖縄県の公費約227万円の内、翁長知事の交通費、宿泊費として支出された約96万円につき、沖縄県は翁長知事から返還を求めなければならない。

第2 請求の理由

  1. 本年9月11日産経新聞那覇支局(高木桂一支局長)配信の産経WESTの記事によると翁長雄志県知事が平成27年9月21日のジュネーブの国連人権理事会で行った演説について、それが沖縄県知事の資格でなされたものではないこと、それゆえ、翁長雄志知事による当該演説のために支出された交通費等の費用は、翁長知事の私費として支払われるべき性質を持つものであり、知事に団体の主張を依頼した民間団体ないしNGOが負担するか、翁長氏個人の私費で賄われる必要があると報じた。

  2. 報道によると、外務省人権人道課によれば、国連人権理事会の規定で演説が認められているのは、①非理事国の政府代表者、②国際機関の代表者、③国連経済社会理事会から認められた協議資格を有するNGOの3者に限定されており、地方自治体の首長は演説を行う資格を有していないとのことである。

  3. 更に、翁長知事は、当該演説に先立つ同年9月17日、自民党沖縄県連の具志孝助幹事長等から、①沖縄県内では先住民、琉球人の認定について議論がなされていないこと、②基本的に基地問題は県と政府の日本国内の政治問題であるとの2点を指摘し、人権理事会総会や関連するシンポジウムで「先住民」に関する発言をしないよう求める要請書を受け取っている。

  4. 然るに、翁長知事は、普天間基地の移設問題に関し、当該演説において「先住民族論」に沿う形で「沖縄の自己決定権や人権がないがしろにされている」と主張したため、帰国後の9月定例議会で自民党から激しい批判を浴びている。

  5. 以上の事から、翁長雄志知事が、平成27年9月21日のジュネーブの国連人権理事会での演説に伴い支出された公費約227万円の内、翁長知事の交通費、宿泊費として支払われた約96万円につき、沖縄県は翁長雄志に対して返還を求めるべきである。

上記のとおり地方自治法第242条第1項の規定により別紙事実証明書を添え必要な措置を請求します。



監査請求結果監査請求結果

監査請求結果

平成29年10月27日

沖縄県職員措置請求書について(通知)

平成29年10月13日付けの沖縄県職員措置請求(以下「本件請求」という。)については、下記のとおり却下します。

 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第242条第1項に定める住民監査請求は、普通地方公共団体の執行機関又は職員による違法若しくは不当な公金の支出、契約の締結等の財務会計上の行為によって、当該普通地方公共団体に損害を与え又は与えるおそれがある場合に、その事実を証する書面を添えて、監査委員に対し、監査を求め、当該財務会計上の行為を防止又は是正するために必要な措置を講ずべきことを求める制度であることから、住民監査請求においては、特定の財務会計上の行為についての客観的かつ具体的な違法性又は不当性が示されることが要件となる。
 また、当該請求は、同条第2項の規定により、正当な理由があるときを除き、当該行為のあった日又は終わった日から一年以内に行わなければならない。

 本件請求において請求人は、沖縄県知事翁長雄志が平成27年9月21日のジュネーブの国連人権理事会で行った演説のために支出された沖縄県の公費約227万円のうち、知事の交通費及び宿泊費として支出された約96万円を沖縄県知事は沖縄県知事翁長雄志に対し、返還を求めるよう求めている。

 本件請求は、沖縄県知事翁長雄志に対する交通費及び宿泊費等のうち概算払いとして955,435円が平成27年9月18日に、精算払いとして3,500円が平成27年H月2日に支出されており、当該支出の日から約2年ないし約1年Hか月を経過して住民監査請求がなされており、法第242条第2項の要件を満たしていない。
 また、同項ただし書きにおいては、正当な理由があるときはこの限りでないとされているが、「正当な理由があるとき」とは、地方公共団体の住民が相当の注意力を持って調査を尽くせば客観的にみて住民監査請求をするに足りる程度に財務会計上の行為の存在又は内容を知ることができたと解される時から相当な期間内に住民監査請求をした場合をいうと解するのが相当であるとされている。(最高裁平成14年9月12日判決)

 本件請求についてみると、請求人は事実証明書として平成29年9月H日の新聞記事(Web版)を提出し、沖縄県は沖縄県知事翁長雄志に対し、公費の返還を求めなければならないとしているが、知事が平成27年9月21日にジュネーブでの国連人権理事会総会で演説したことは、当時の新聞等のマスメディアでも取り上げられており、その時点において、請求人が情報公開請求等の手段を用いれば、請求人は住民監査請求をするに足りる程度に財務会計上の行為の存在及び内容を知ることができるものと考えられることから、正当な理由があるとは言えない。

 よって、本件請求は、法第242条第2項の請求期限を経過しており、また同項ただし書きの正当な理由があるとは言えないことから、住民監査請求の要性と具備しているとは認められない。

 したがって、本件請求は、正当な理由がなく、請求期限を経過した不適法な請求として却下することを相当と判断した。


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