沖縄県政の刷新を求める会

万国津梁会議設置支援業務委託料返還訴訟

準備書面2準備書面2

準備書面2

準備書面2(原告)

令和2年11月4日


第1 沖縄県知事としての義務違反行為
  1. 契約締結における違法性にかかる義務違反行為
     これは契約無効を前提とするものであるが①そもそも担当する交流推進課において行う業務そのものであって業務委託の必要性はなかったこと、②「審議会の構成員に対する謝礼金支払基準について(通知)」(甲8)で規定された日額単価8400円を遥かに超える高額で見積もりされていること、③本件子ども基金が参加資格要件を満たしていなかったこと、④複数の業者による企画提案の比較検討がされていなかったこと、⑤そもそも随意契約にすることが許されないものであったこと、上記により本件委託契約は違法無効であるにもかかわらずあえてこれを締結したことに対する義務違反行為である。

  2. 計画変更の承認等における違法性にかかる義務違反行為
     沖縄県知事は、沖縄県に対し、受任者としての善管注意義務を負っているところ、締結した本件委託契約に規定された委託者としての権利を適切に行使し、受託者たる本件スタートチームの義務を履行させる義務を負っている。
     そして、委託契約書(甲4)において、受託者たる本件スタートチームには、契約の履行状況についての報告義務(第6条)、及び仕様書または業務に関する指示の内容を変更するときはあらかじめ業務実施計画変更申請書を提出し、沖縄県の承認を得る義務を負っていた(第8条1項2号)。
     ところが、本件スタートチームは、概算払い後に問題が表面化するまで報告を一切せず、あらかじめ沖縄県の承認を得ることなく、委託事業の内容を変更(5つの分野を3つにしぼり、全部で10回行われるはずの会議を5回に留めていた)していた。これは、本件スタートチームにおける重大な債務不履行である。
     被告は、沖縄県知事として、委託契約における規定を本件スタートチームに遵守させるよう職員を指揮監督する義務を負い、それが果たされなければ本件スタートチームの求める「概算払」に応じてはならないとの内容を指揮監督する義務を有する。これが被告の注意義務違反となる行為である。

  3. 概算払の請求に応じたことにおける違法性にかかる義務違反行為
     本件委託契約においては、本来業務委託料の支払いは、確定後に行うことが原則(第14条1項、同条4項、第15条1項)であり、概算払は例外とされている。特に「10分の9に相当する額」の概算払については、「委託事業の進捗度合い」に応じてされるものと明記されている(第16条2項)。
     被告は、上記と同じく沖縄県知事として契約を遵守し、受託者たる本件スタートチームに契約を遵守させるよう職員への指揮監督義務を負うところ、所定の査定や確認を行うことなく概算払に応じた指揮監督義務違反の違法性がある。これが被告の注意義務違反となる行為である。

第2 本件スタートチームの責任原因となる行為
 本件スタートチームには、上記第1第2項の契約変更の承認等において、また上記第2第3項の概算払の請求において委託契約に違反する債務不履行が存在する。本件スタートチームは、契約に規定する義務を履行することなく概算払の請求をし、その支払を受けた。
 これが本件スタートチームの責任原因となる行為である。

以上

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